告知義務違反での保険詐欺・錯誤について
保険会社は告知義務違反によって保険契約を解除することができます。
しかし、保険契約を解除できる期間には、制限が設けられています。
商法においては、告知義務違反が発覚後1ヵ月以内、契約後5年以内に限って保険契約の解除が可能となっています。
けれども保険会社の約款においては、5年以内ではなく2年以内と規定されているのが一般的です。
これらの期間が経過すると、保険会社は告知義務違反であっても保険契約を解除することができませんが、詐欺や錯誤があった場合においては解除期間を過ぎても解除することが認められています。
●詐欺とは
保険契約者が保険会社をだまして保険金を受け取ろうとすること
●錯誤とは
保険契約者が嘘の告知をし、それによって保険会社が勘違いをして保険契約を締結してしまったもの
詐欺をしようとする保険契約者は、他社の同じような複数の保険に加入している場合があります。
各保険会社では不正請求目的の詐欺や錯誤を予防するため、他の保険会社の保険に加入しているかどうかについて、保険約款において告知する義務を定めています。
さらに約款では、この告知義務をしなかった場合、契約者は保険金の支払を受けられないとも定めています。
ただし、この規定は詐欺や錯誤による不正請求の疑いを保険会社が証明した場合のみ、契約解除が可能であるとされています。
詐欺・錯誤であるという判断は、保険会社に委ねられているといえるでしょう。