超過保険とは

超過保険とは、保険金額が保険価額を超えて契約する保険をいいます。

損害保険では、保険による利得防止のため、実際の損害額に応じて保険金を支払うことを原則としています。

そのため超過保険の場合、損害分の保険金は受け取ることができますが、超過分は無効となり、保険価額以上の保険金は支払われません。

このように設定することにより、損害保険では保険金の支払いによって利益を得たり、保険契約が悪用されたりすることを阻止しています。

超過保険のほかに、重複保険というものがあります。

重複保険とは、1つの被保険利益に対して複数の保険会社と保険契約を結ぶことです。

一つ一つの保険契約においては保険金額が保険価額の範囲内であっても、重複する複数の保険金額の総額が、保険価額を超過する場合、やはり超過分は無効となります。
重複保険も、超過保険に注意する必要があるのです。

重複保険は、保険契約の締結時期によって同時重複保険異時重複保険に分けられます。

同時重複保険とは、各保険契約が同じ時期に結ばれた場合のことです。

商法では同時重複保険の場合、すべての保険契約の金額を合計した総保険金額を求め、それに対する各保険会社の保険金額の「割合」に応じて損害額を分担することになっています(保険金額按分主義という)。

異時重複保険とは、各保険会社の契約が結ばれた時期が異なる場合のことです。

異時重複保険の場合、保険期間の長さにかかわらず、最初に契約した保険会社がまず損害額を負担します。
その保険会社で填補しきれなかった時は、次に契約を結んだ保険会社が負担するとしています(優先主義という)。

どちらの重複保険に関しても、保険価額を超える保険金は支払われませんので、契約時には注意が必要です。

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