保険業界の規制緩和とは
保険業界の規制緩和とは、1995年に保険業法が改正されたことにより、生命保険会社と損害保険会社がお互いの保険商品を販売することができるようになった事が挙げられます。
1995年の保険業法改正以前は、生命保険と損害保険の両方の保険商品を同時に販売することはできませんでした。
なぜなら、長期契約で保険金の支払いを予測しやすい生命保険と、1年契約が多く1度に多額の保険金を支払う可能性がある損害保険では、資金の運営方法が違うので同時に経営していくことは難しいためです。
しかし保険業法の改正後、子会社を設立することにより、生命保険と損害保険の壁が取り払われました。
生命保険と損害保険の兼営解禁の仕組みは、以下の通りです。
●生命保険の場合
親会社である生命保険会社が、子会社である損害保険会社を設立する。
これにより、子会社で損害保険の販売が可能となる。
●損害保険の場合
親会社である損害保険会社が、子会社である生命保険会社を設立する。
これにより、子会社で生命保険の販売が可能となる。
生損保の兼営解禁により、いろいろな保険商品が開発されるようになりました。
さらに1995年以降も保険業法が改正され、1997年には銀行や証券などの他業種も保険業へ参入できるようになりました。
この場合、親会社となる参入したい企業が、保険会社を設立したり、保険会社を買収したりして保険を販売する子会社を持ちます。
親会社はその子会社の持株会社として利益を受け取り、保険業界に参入していくという形をとります。
持ち株会社とは、他の会社の株式を保有し、その会社の経営権を支配し管理して利益を得る会社のことです。
持ち株会社の中で、保険会社のみ子会社となっている持ち株会社を保険持株会社、生命保険会社・損害保険会社・銀行・証券など金融業界全般を子会社化する場合は、金融持ち株会社といいます。
保険業界の規制緩和は、金融業界全体に影響を及ぼし、広がっているのです。