営利保険と相互保険について
保険を運営する目的により、保険は営利保険と相互保険に分類されます。
営利保険とは、利益を追求するという目的で運営される保険のことです。
保険業法では、株式会社のみ営利保険の運営を許可しています。
保険会社は、収入保険料と支払保険料の差額を利益とする目的で、保険業務を運営していきます。
相互保険とは、利益の追求を目的とせず、相互扶助を目的としています。
社団法人(相互会社)を創設し、その法人が保険業務を引き受けるのです。
営利保険と相互保険の違いは、
【営利保険】
運営主体は、株式会社。
保険の目的は、利潤追求。
適用法は、商法。
【相互保険】
運営主体は、相互会社(社団法人)。
保険の目的は、相互扶助。
適用法は、保険業法。
となります。
また、株式会社においては保険契約者と株主には以下の違いがみられます。
「保険契約者」は、保険料を支払い、保険金を受け取る。
「株主」は、会社に出資(資本金)し、営業収益である利益分配金を受け取る。
一方、相互会社においては保険料を=出資金として支払うことから、「保険契約者」と「株主」は同一と見なされ、保険契約者は保険金と利益分配金の両方を受け取ることができます。
営利保険会社が保険契約者に対して「利益分配金」ではないのですが、「契約者配当」を行うことがあります。
契約者配当とは、決算時に保険料が余った金額を分配するという制度です。
この契約者配当は、現在ほとんどの生命保険に組み込まれています。