保険の株式会社と相互会社とは

保険の会社には、株式会社と相互会社があります。

株式会社と相互会社の違いは、以下の通りです。

●株式会社
利潤の追求を目的とする営利法人である株式会社の場合、利益は株式会社の株主に配当されます。

意思決定は株式総会で行われ、オーナーである株主の意見が反映されます。

●相互会社
営利目的でなく、相互扶助を目的としている相互会社の場合、保険契約者が相互会社の社員ということになります。

中間法人(非営利法人)である相互会社は、株主総会または社員総代会にて、意思決定がされます。

利益は、社員である保険契約者に分配されることになります。

1995年の保険業法の全面改正により、株式会社から相互会社へ、相互会社から株式会社への組織変更が可能となりました。

相互会社は利益目的で運営しているわけではなく、また株主からの出資もないため、会社の運営資金は会社構成員である保険契約者から調達するしかありません。

保険業界の規制緩和による競争を生き残るため、相互会社から株式会社へ変更するという選択肢を設けたといえます。

●相互会社から株式会社になると・・・
持ち株会社を設立することにより、合併や経営統合が可能となる。
株券発行などにより、資金調達しやすくなる。

●株式会社から相互会社になると・・・
資金調達手段が少ないため、経営基盤を強化することが難しい。
資本を増資するたびに、社員総代会での決議が必要となる。

一般的には、相互会社から株式会社になるケースがほとんどですが、組織変更するには社員総会の決議が必要です。

その後、会社債権者および保険契約者の異議申立手続きを行い、金融庁から認可をしてもらうことになります。

最後に、株式会社になることにより、相互会社の保険契約者(社員)に対して、株式の割り当てをする必要があります。

これらの手続きには時間と費用がかかるため、組織変更には多くの作業を要します。

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