保険の本質
保険はなぜ存在するのでしょう?
何のために保険制度があるのでしょうか?
保険には、助け合いや相互扶助の性質があります。
しかし、それだけが保険の本質だとはいえません。
保険の本質については、いろいろな説があります。
海上保険から始まった保険制度は、火災保険なども含み、事故によって生じた損害を補う「損害填補」制度の役割があると考えられてきました。
しかし、生命保険制度が誕生したことによって、損害填補という保険の本質が変化することになったのです。
生命保険では、損害の有無に関係なく保険金が支払われるからです。
そこで、新たな保険の本質として、「経済的需要充足」という側面が新たに誕生しました。
事故によって生じた金銭的需要を満たすというのが「経済的需要充足」という説です。
保険の本質として、現在ではこの説が最も適切であると考えられています。
ほかにも、保険金の確保することによって安定した人生を過ごすことができるという「経済生活確保」という本質もあります。
また、「損害填補」「経済的需要充足」「経済生活確保」の役割を全て合わせた「相対的把握」説を唱える人もいます。
このように、保険の本質は時代によって変化し、さまざまな役割を果たしているのです。