保険の歴史
保険は、「冒険貸借」という制度が始まりだといわれています。
冒険貸借とは、地中海貿易が盛んなころ、海賊や海難事故などのさまざまな海上で起こる事故に対応するためにつくられた制度のことです。
資本家が貿易業者に航海資金を融資し、航海が成功すると貿易業者が元金(保険金)と利息(保険料)を資本家に返済します。
失敗すると元金・利息とも返済する必要がありません。
このように、冒険貸借制度は「資金融資機能(融資・借用)」と「危険負担機能(成功・失敗)」を兼ね備えており、現代の保険制度は「危険負担機能」の考え方を基に形成されています。
中世まで続いた冒険貸借は、13世紀にローマ法王が暴利禁止令を出したことにより、終息に向かいます。
次に「条件つき売買」という仕組みが考え出されました。
貿易業者が先に航海の危険負担料(保険料)を資本家に支払います。
航海が成功すると売買契約は解消され積荷は全て貿易業者のものとなります。
(危険負担量の返済はなし)
失敗すると、資本家が積荷を買い取ってくれる(保険金)という制度です。
「条件つき売買」制度は、いわゆる有償の危険引受契約であり、これが現在の海上保険の基になっています。
また、火災保険は1666年のロンドンで起こった大火災をきっかけに設立されました。
生命保険は17~18世紀にかけて誕生し、19世紀には自動車保険制度が始まったといわれています。