保険のモラル・ハザードとは
保険にはモラル・ハザードが存在します。
モラル・ハザードとは、心の中で沸き起こってくる危険性のことです。
モラル・ハザードは、モラル・リスク(道徳的な危険)ともいい、心理的作用によって起こる保険事故を指します。
保険でのモラル・ハザードとは、およそ以下の事項が該当します。
●保険に加入することで安心してしまい、不注意によって事故を発生させること
〔例〕 たばこの不始末など
●保険事故が起こっても、保険契約をしているという理由で、被害を抑えようとする努力をしないこと
〔例〕 火事が起こっても消化活動をしないなど
●不正な方法で故意に保険金を請求すること
〔例〕 火災保険に加入した後、家屋を放火すること・生命保険に加入した後、保険金受取人が被保険者に故意に危害を加えて保険金を得ること・自動車保険に加入した後、事故を捏造や偽装することなど
これらのモラル・ハザードを防ぐため、保険会社では「告知義務」「通知義務」「契約内容の登録」を定めています。
複数の同種の保険に加入し、不正に保険金を取得するのを防ぐためです。
●告知義務
契約以前に、他の保険に加入しているかを確認する
●通知義務
契約後、他の保険会社の同種の保険に加入したことを通知してもらう
●契約内容の登録
保険契約者の同意を得て、契約内容を「生命保険協会の登録センター」に登録してもらうことにより、各保険会社がそれぞれの契約内容を閲覧できるようにする
⇒不正があった場合、契約を無効にすることができる
少額の保険料で多額の保険金を受け取れる保険の特性を利用するモラル・ハザードを、上手く回避させることが大切です。