損害防止義務とは
保険の損害防止義務とは、保険事故が発生したときに、損害が大きくならないように努力をする義務のことです。
損害防止義務は、損害を防止しやすい状況にあり、保険の目的を所有している保険契約者や被保険者に課せられています。
損害防止義務は、保険契約者や被保険者の怠慢からくる損害の拡大を予防する役割があるのです。
保険会社は、保険契約者や被保険者に協力を求め、共に損害の拡大を防止しようと努めています。
損害防止義務の開始時期というのは、商法上規定されてはいませんが、一般的に保険事故の発生後と考えられています。
もし、損害防止義務の開始時期を保険事故の発生前からとすると、常に事故発生に対して注意しなければならないため、保険に加入しても安心して生活することができなくなるからです。
損害防止義務に違反したとしても規定はありませんが、故意や重過失があった場合は損害賠償責任が生じることになります。
次に損害防止費用についてですが、これは保険会社が負担します。
損害を防止するためには費用がかかるものです。
地震・火災発生時などの消火活動および荷物を運び出す際、これらの損害防止のために使われる費用を損害防止費用といいます。
保険会社が損害防止費用を負担する理由としては、損害を防止することにより損害の規模が小さくなれば、保険会社が支払う保険金もすくなくて済むからです。
保険会社は、実際に損害防止の効果があったかどうかに関係なく、損害防止費用を負担しなければなりません。
保険会社が負担する損害防止費用は、商法では保険金額を超過する場合でも全額負担しなければいけないと定められています。
しかし、保険約款では保険金額の範囲内で負担すると修正しています。
契約時には、この部分の約款もしっかりと読んでおきましょう。