ソルベンシー・マージン比率と早期是正措置
保険会社も破綻することがあります。
保険会社が破綻した場合、契約者は保険契約者保護機構により保護されます。
しかし、保険会社の破綻を未然に防ぐことは重要です。
保険会社の経営状態の健全性を知るための指標となるものが、ソルベンシー・マージン比率です。
ソルベンシー・マージン比率は高いほど好ましいと言われていますが、この比率が200%を下回った場合は、金融庁から業務改善計画などの提出を求められます。
これを「早期是正措置」制度といいます。
「早期是正措置」制度は、生命保険会社の業務の適切な運営を確保し、契約者の保護を図ることを目的としています。
保険業法では、金融庁長官が経営状態が悪化している保険会社に対して、業務改善・業務停止・保険契約の移転などの「早期是正措置」を命じることができます。
ソルベンシー・マージン比率を指標として、400~500%は合格、200%が最低ラインとなっています。
200%は改善措置の対象ではありませんが、安全とはいえない数値です。
200%未満であると、改善措置の対象となります。
【早期是正措置の内容】
●第1区分(100%以上200%未満)
経営の健全性を確保するための改善計画の提出およびその実行の命令
●第2区分(0%以上100%未満)
1 保険金などの支払い能力の充実にかかわる計画の提出およびその実行
2 配当または役員賞与の禁止またはその額の抑制
3 契約者配当または社員に対する余剰金の分配の禁止、またはその額の抑制
4 新規に締結しようとする保険契約にかかわる保険料の計算の方法の変更
5 事業費の抑制など
●第3区分(0%未満)
期限を付した業務の全部または一部の停止の命令
過去には400%以上の保険会社が破綻した例があります。
ソルベンシー・マージン比率はあくまでも指標として考え、個人自らが自分の財産をしっかりと守っていくことが大切です。